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【青いオーケストラの前に:これまでの想い→これからの備え】 [大儀式魔術 第二次黄金戦争]

大絢爛を思い出す。

何も解らないままただとにかく必死だった。

チャットに張り付き、流れの中に身を置き、今何が起きているかを理解するので必死だった。初手から慎重に行き過ぎてしくじり、瀧川一族が犠牲になった。例外的に生き残ったドランジすら狙われた。課題をクリアしていながら、何度も「間違ったのか?」と思わされるような、ひやりとした展開がアップされていた。

最後の最後までそれは変わらなかった。いじわる。ファン投票の選択肢にすら罠があるように思えてならなかった毎日。結局どれも罠じゃなかったけど。そんな軽いジョークにも過敏反応する毎日だった。


白いオーケストラを思い出す。

地獄のような気分だった。

謎だけは解けないまま迫り来る絶望の未来図に神経を痛められ、それでも必死にもがいて戦ってた。今じゃ信じられないが俺も当時の謎板に書き込みをするべくチャットに詰めていたことすらあった。消耗品だ。増加したにわか謎ハンターたちの質をもう一度戻すため、ワンミスごとに休みが与えられていたから、俺ですら出番があったのだ。つまり、チャットに出てきていた意見をまとめて、提出するその役目が。

部隊を編成しながら謎を解き続けるそれはまるで地獄のような気分だった。解かなければ同士討ち、どちらか一方は必ず死ぬ。そんな未来が待っていた。


<ネクストゲーム 大儀式魔術 第二次黄金戦争>
<ネクストゲーム 小儀式魔術 第二次黄金戦争-前哨戦 白いオーケストラ>


一年。望んだ地獄なら笑いながら行こうという気持ちにようやくなれた。そしてそれ以前にやるべきことがあるならそれをこなしてから笑おうと思った。けたたましく翻弄されてジェットコースターに乗ったみたいにきゃーきゃー騒ぐのは楽しいが、それではゲームではない。それは遊びだ。

感情を一片も揺らさずに高揚ではなく鋼で以て士気を支えよう。冷たく熱い気持ちの塊。

我等は七界を旅する傭兵なり。風渡り旅する、時間を代価に、友邦と愛情を路銀とし、ただ一つの笑顔すら求めず生きて死ぬを求める傭兵なり。その誇りこそは心を覆うほのぐらいなにもかもに下すただ一条のかすり傷であり、その連帯こそは勝利のみを貴ぶ情け容赦もへったくれもないゲーマーとしての信条である。

傭兵は死ぬ。だが誰も死にたくはない。だが誰かのために死ぬのであれば、それを厭うのは傭兵ではない。誰もが何かを成したいからこそ、誰もが誰にも死んで欲しくない。それは自分たちが声を上げねば誰かの命が掻き消えてしまうと信じる強い身勝手な感情でありそれは声を上げることをついにはためらわないがゆえに愚かでどうしようもなく無限に湧き上がる最後の砦である。

1つ。これはゲームである。ゲーマーの誇りは勝利である。

1つ。これは戦いである。戦いを生む、人の心を翳らすほのぐらいなにもかもと戦うことこそが真の戦いである。それは自分たちの心ですら同じこと。ゲームをしている者はそれゆえ誰もが同じ戦場に立っている。キャラクターとプレイヤーの区別なく。

1つ。これは集団戦である。銃弾が豊富にあることは構わない。人員が豊富にいることは構わない。それにおごることを怖れなければならないのはそれを運用する資格をもつものだけである。弾丸の一片を拾い上げ、「面を上げよ、去れあしきゆめ、ほのぐらいものなにもかも」と、歌うただそれだけで戦える。戦えない民間人は戦っていないのか。否。戦場は誰にも公平である。戦いたくなったならいつでも銃を取れ、大切なものの、何より自分の思った思いを守るために。

1つ。これは実戦である。状況は常に不明だ。だが一つだけ変わらないことがある。隣にいる誰かが味方だと信じて疑わなくていい心だ。それは永遠に変わらない。それを永遠に変えまいとするだけで戦いは格段に楽になる。銃口を向けるその先は常に人の心を覆うほのぐらい何もかも。切っ先をかざすのは常にそのほのぐらい何もかもを生み出すすれ違いと誤解と変えられないものを生み出してきた世界の運命そのものだ。運命こそが謎である。運命を変えようと願うのが謎解きならば、ほのぐらいなにもかもを消し去るために誰かのしあわせな人生とはかくあるべしと信じるのが謎解きのための最大の力なら、それは誰にも備わる最強にして最後の錆たる聖剣。切れなければ殴ればいい。殴ればたわむ、切れ目も見える。それはただ身勝手な愛情と身勝手な愛情との間に横たえられる一条の真実である。かくあるべし。そう身勝手に望むのは他の誰にも出来はしない。だから。

1つ。これは、高難易度戦である。切れぬ刃を振るうは恐れ、1人飛び出すは無駄死にの恐れ、けれど臆するな。解けぬ謎は解けぬ。間違う時は間違う。人間は、人間だから、いつだってしょうがない。そんな戦いの最中でさえ。そしてだからこそ臆するな。ほのぐらいなにもかもを倒したいと願って振るったその銃剣が、味方を傷つけてはしまわぬかと、怖れるだけの理性があるならば、それはもう充分に錆びてはいない聖剣だ。それはただ一片の曇りなく戦うためだけに振るうことを許された、人の心の闇切る銀剣。物語を切り裂きゲームと化すただ運命に抗うためだけに与えられた偉大なる唯一の物語魔法剣。臆病をこそ怖れ蛮勇をこそ厭え。敵、人の心を覆うほのぐらい何もかも。視認性は常に悪い。

我等は風渡る傭兵なり。戦いは常に一期一会。知らぬ相手に誠を尽くせ。敵は人間にあらず。敵は人間にかかる心の闇なり。心の闇を生み出す運命過去未来なり。敵はニンゲンにあらず。敵はジンカンにかかる心の闇なり。

我等は風渡る妖精。人の心の闇に仇成すものの要請によりて請われて挑む傭兵なり。その主の名は希望、その主の居城、我等が心。その主の仮の姿の名こそはOVERS。それは世界を超えて人の心の闇に闇成す光なり。何もかもを殺すために何もかもを殺さない、人の心を覆うほのぐらいなにもかもを殺すためにそれ以外の何もかもを殺さない、殺したくないと願う心なり。

言葉は心。言葉は必要な時にいつもそのかたわらにはたどり着けない。だから言葉は姿を変える。言葉は心だ。受け継がれて伝わる人の心だ。必要な時、その言葉はあなたのそばに必ずいない。だが必要な時、思い出すまでもなく、言葉はあなたの心と一つとなって、言葉は常にそばにいる。

繰り返す。人間は、どうしようもない。だからどうしようもない出来事がこれからも山のように出てきて海のように押し寄せる。これは確定事項だ。謎は解けない。間違いはする。蛮勇に駆られ愚行を犯し、臆病に襲われ手を出さない。これらはすべて、確定事項だ。

その上で我等は風渡る妖精、プレイヤーという名のゲーム世界の傭兵である。代価は時間、路銀は友邦と愛情、ただ一片の笑顔の報いすら求めず死する、誰もが何かを成したいために、誰もが誰にも死んで欲しくないと互いに願う、ただ1人の傭兵である。

これは戦闘だ。地獄のように地獄を地獄する、笑うほど笑えるお祭りで、最後にはただ、めでたしめでたしと、誰も彼もの心の上から上にかかる心を覆う闇、ほのぐらいなにもかもを打ち払うためだけの物語ならざる物語、運命に反逆するためのゲーム。

ただ一発の銃弾と化すことを怖れるな。愛情という名の盲目に鈍磨された切れぬ剣を振るうことを怖れるな。押し寄せることにおごりそうになる自分たちを怖れるな。振るう銃剣が味方を傷つけてしまうことを怖れることを忘れるな。敵は隣にいる誰かにあらず。敵は目の前に立ちはだかる敵にあらず。ただただ愛するものの未来をくらく歪ます、誰かの心にかかったほのぐらい闇、それを生み出す運命世界そのものなり。

言葉は心、言葉は人間を超えて人間を渡る心なり。それはただうっとうしく自分の行く手にかかる気に食わないもののなにもかもに抗おうとする心であり、それはただ腹が立つほどに大好きなキャラクターたちの前をさえぎってはばからないくだらない世の中に反逆しようという心意気であり、それはただ今より少しでも世の中をよくしようとまず自分が変わる行動しようとする心である。

己を偽るな。ハレの舞台だケを祓え。祭りだ祭りだ神輿を担げ、誰もが誰かとにぎにぎしく笑顔に笑顔を見合わせろ。そしてゲームだ。勝つも負けるもお祭り騒ぎ、が、まあ、誰だって勝ちたい気持ちに変わりはなかろう。ならば、ゲーマーとしての唯一の信条、唯一勝利こそを貴び情け容赦も身も蓋もへったくれもなく使える限りのありったけをゲームに注ぎ込む心意気の連帯をこそ貴ぼう。

祭りだ。神輿を担いで街中を突っ切るのも、それを眺めて微笑むのも、その音を遠くあなたの日常のBGMとし生きるのも、振舞い酒と肴に舌鼓を打つも、すべてよし。どんといこう。年に一度のお祭りだ。初めての人もそうでない人もわけ隔てなく、祭りは有象無象を区別しない。

さあ。ゲームしようぜ。


2006-11-29 16:20  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
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